9月27日(木)発売 『吉田豪と15人の女たち』より上坂すみれさんのインタビューを一部無料公開!

異端児、世間になじもうと励む日々「女子が好むものはだいたいオカルトだから」


桃井はるこさんは私のなりたいものの集合体

───今回は音楽のことも含めて、いろんな雑談をしていきたいと思います。最近は天知茂さんにハマっているんですよね?

上坂 神保町シアターで特集をやっていたので、がんばって10回行きました!

──かなりがんばりましたね(笑)。

上坂 新東宝の作品がすごく好きで、DVDを集めています。

──昭和の掘り方がまた違う方向になってきますよね。何かにハマるととことん追求したくなるタイプというか……。

上坂 なんか出費をしたい、みたいな。

──とりあえず出費をしたい(笑)。

上坂 無駄遣いがないと落ち着かなくて。「こんなの買っちゃった」っていう気持ちが好きなんです。

──わかります。

上坂 でも、集めて損はないものを買っています。

──上映会で顔バレとかしないんですか?

上坂 たぶんバレてないです。お客さんの平均年齢が60代ぐらいで、名物客みたいな方ばかりなので。

──10回行くとだんだんわかってきて。

上坂 絶対上映後10分経ってやってくる、4列目の奥のほうに指定席があるおじさまとか。彼を楽しみに待っていました(笑)。

──そんな上坂さんは、音楽もいろいろ掘り下げていくタイプなわけですよね?

上坂 集めるタイプですね。

──もともと両親の影響で、いろいろ聴いてはいたけれど。

上坂 最初はディスコとかユーロビートとか、バブル期のリア充ソングを聴いていました。

──親御さんはそういうタイプの人なんですか?

上坂 親御さんは踊っていた人らしいです。

──踊ってた人!

上坂 過去の写真はどれも恥ずかしくて、あまり世に出したくない、どんちゃんどんちゃんしてた種族らしいです。

──同じクラスにいたら絶対に仲良くならないタイプ。

上坂 ならないですね。鎌倉界隈で遊びほうけていたんじゃないかと思っているんですけど(笑)。そういう垢抜けた種族だったと思います、両親は。

──上坂さんは垢抜けてない種族?

上坂 そうですね。

──でも、昔から子役めいた活動とかしていたわけじゃないですか。

上坂 子役めいた活動も、もともとは母が積極的だったので。スカウトされたのは本当ですが、母親のほうが芸能人の母親になりたいみたいな気持ちがにじみ出ていたので(笑)。

──子供から見ても(笑)。

上坂 私は、それを見れば見るほどやる気がなくなっていったんです(笑)。でも、声優っていうお仕事を見つけてから、やる気を持つようになって。子役時代は仕事が終わったら東京を散歩できるっていうことのために仕事に行ってました。

──声優に開眼するにしてもポイントがドサブカルっていうか、きっかけはモモーイ(桃井はるこ)なわけじゃないですか。それこそ彼女は新宿ロフトプラスワンとかを拠点にしながら、サブカル活動をやってきた人で。

上坂 本業が声優ではなかったかもしれないんですけど、桃井さんがやってらっしゃったキャラクターに惹かれて。ラジオとか連載とか秋葉原の路上ライブとか夜中の番組に出てたりとか。まさしく私のなりたいものの集合体みたいな感じで、とくに憧れましたね。

──そこがたぶん声優の世界でも異端な、上坂さんらしいポイントなんでしょうね。

上坂 でも私、最近なじんできたと自信を持ってるんですけど(笑)。

──え、なじんできてます?

上坂 ……まあ、それは個々の判断に任せようと思います。

──ダハハハ! かなり偏ったサブカル趣味の持ち主だから、同業者で話が合うって人はたぶん相当少ないと思うんですよ。

上坂 それはもういないものだと思っていますね。私と同じ世代の声優さんは、ほんとに純粋にアニメが好きで、声優さんに憧れて、っていう方だと思います。もちろん私もアニメ大好きですけど、それ以外にもいろいろな興味があったので。でも最近の女子の健康法に詳しくなりましたよ。

──同世代の女子となじもうとした結果!

上坂 女子の健康法を知ることで、仲間に入れてもらえることがわかったので、これは使えるぞ! って思ってます。

──会話の糸口としてはベストですよね。

上坂 そうなんです。オーガニックにめっぽう弱い女子ですから、その知識を欠かさず仕入れるために20代前半の人が買う雑誌を買ったりして。

──20代前半の人が買う雑誌(笑)。ぼんやりしてますね。

上坂 そうですね(笑)。ちょっと雑誌名が全然出てこないけど、とにかく野菜をすり潰してスムージーを作るとか、そういう本も読んでます。

──ちょっとずつ社会性は身についてきた?

上坂 それ以上踏み入ることはできないんですけど、自分の中身を押し付けなければ、亀裂が走ることはないということがわかったので。

──何度かそういう失敗したんですね(笑)。

上坂 うっふっふ! それで失敗し続けてきたので。やっと「なぜ失敗したのか」っていうのが、わかるようになりました。

──それまではラジオで話しているような内容を押し付けてきたけれど……。

上坂 持ち込まない。それをやってはいけないということがわかりました。

──ようやく気づいた(笑)。

上坂 誰も教えてくれなかったんですね。やっぱり厳しいですね。

──音楽は桃井さんの流れでいろいろ掘り下げ始めた感じなんですか?

上坂 桃井さんは萌えソング、電波ソング系に繋がったんですけど。それとは別に、基本的には中野ブロードウェイのレコミンツとメカノっていうお店からの知識ですね。

──レコミンツはバーゲン棚も充実してて。

上坂 学生に優しいお店でした。バンド・ブームとかナゴムとかアイドルとか、サブカルの縮図がお店にあったので、勉強になったし、楽しかったですね。

──そこでハマったものはどんな感じだったんですか? ナゴムと昭和アイドル?

上坂 YMOとか電気グルーヴとかP-MODELとかザ・スターリンとかゆらゆら帝国とかヒカシューとか、戸川純、ヤプーズ、ゲルニカとか。あとは80年代アイドルとかですね。


――インタビューの続きは9月27日発売の本書籍にて!


【プロフィール】

うえさか・すみれ=1991年12月19日生まれ、神奈川県出身。上智大学外国語学部ロシア語学科卒。ジュニアモデル活動を経て、2012年にTVアニメ『パパのいうことを聞きなさい!』で本格的に声優デビュー。その後『アイドルマスターシンデレラガールズ』『艦隊これくしょん -艦これ-』などのヒット作に出演。歌手としては2013年にデビュー。


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