東理紗「自分と向き合うっていうことを初めてちゃんとやった」【吉田豪の部屋の本】

「ホリエモンに着火されたんですよ、命を。だから命の恩人なんですよ」

人生を立て直すきっかけをくれたのはホリエモンだった

吉田　あまりにも向き合うものが多すぎますね。

東　ちょっとずつ小出しにしてよ神様！

吉田　ホントですよ！

東　でも、ようやく、生うどんのときのあれも、幼少期のことも私がADHDだったからなんだとか、いろいろ伏線回収していって。自分と向き合うっていうことを初めてちゃんとやったんですよ。なんで自分がこんなふうになっちゃったんだろうとか、自己受容、自己肯定、自己容認みたいな、そういうことを一気に勉強して。友達の協力もあってちょっとずつよくなって。それで1月ぐらいに他の演出家を呼んで実験的な公演をするっていう企画があったんですけど。自分の心を理解してきた頃だったし、劇団員とは仲良くするけど心を分離させるみたいな練習をずっとしてたんですよ。彼女たちの言い分もわかるけど、私はこうやって私を大切にする、一緒にいても自分を守るって練習をしてたからちょっとずつ回復はしてきてたんですけど、その1月の公演のときに……何があったんだっけな……そうだ、私が突発的にツイートして炎上しちゃって。劇団の看板に泥を塗るから、大丈夫かなと思ったツイートに関しては劇団員にあらかじめ聞くっていう約束ができてたんですよ。だけど、聞かないで私がツイートしちゃったんですよね。

吉田　ありましたよね、劇団絡みの炎上。

東　突発的に書いちゃうんですよ。そんなに炎上はしなかったけど、劇団を好きな人たちが劇団員に、「また東さんがこんなことしてるけど大丈夫ですか？」って連絡して、5人のグループLINEに「東、そういうツイートは相談するって言ったよね？　今回相談しなかったっていうことは東の中で大丈夫と思ったからだよね、それを説明してくれる？」っていうのが来たんですよ。一見それは流れとしては普通じゃないですか。でもそのとき劇団は彼女に制御されてたのもあったし、それを送ってきた人は私が劇団の中で一番信頼してるメンバーだったんですよ。そのメンバーだけには彼女のことも話してたし、すごい信頼してる人だったのに、グループLINEで送ってきた文章が彼女の言葉じゃなかったんですよ。あきらかに劇団のみんなで固めた文章で。それをわざわざグループLINEで送られたことにショックを受けちゃって。私のためを思って、東をどうやって社会に適合させるかみたいな、私以外のメンバーの相談グループLINEみたいなのがあったっていうことを知って、私は劇団員に信頼してもらうためにいろいろ頑張ったけど、私はこの人たちのことをまったく信頼できてないんだっていうことに気づいたんです。私以外の4人のグループLINEのこともホントかわからないけど、疑ってる時点で信頼できてないじゃないですか。もうダメだと思って、ホントの意味での無みたいな、精神が死んでるみたいな状態になったときに、これはまだ誰にも言ってないんですけど、ホリエモン（堀江貴文）の本に出会ったんですよ。

吉田　ダハハハハ！　そこで！

東　『バカとつき合うな』って本にたまたま出会っちゃって、それを読んでめちゃくちゃ背中を押されて。

吉田　ホリエモンに！

東　ホリエモンに着火されたんですよ、命を。「なるほど！　もう無理だ、バカと付き合うのやめよう、劇団やめる！」ってやっと決意できて。だから命の恩人なんですよ。ホリエモン大好き！

吉田　まあ、ホリエモンも多動の人ですからね。

東　しかもあの人の本、読みやすい！　文字で目が滑っちゃう私でも読めたから。それで「もう私やめます！」って言って。稽古の途中だったんですけど、今ならまだ代役も利くしやめられるってことで、「やめます」って言って、全員のLINEもブロックして退出して一切関わらないようにして。精神的DVの彼女とも何回も別れてたんですけど、劇団と離れないと別れられなかったんですよ。劇団絡みで呼び出されたり責められたりがあったから。だから本当の意味でおさらばするには劇団をやめるしかなかったっていうこともあって。それでシャットダウン。親にもそのときカミングアウトしたんです。付き合ってた人が誰々さんで女の人であんなことがあってってブワーッて泣きながら。そしたらママが、「そんなことがあったのに今までよくやったね。ここは全部ママに任せな」って、ママがやり取りしてくれて。

吉田　お母さんが助けてくれて。

東　そしたら外部からいらした演出家の人に、「どうしてもこの役は理紗ちゃんが良い。どうにか話せないか」ってずっと言われてたんで、思い切って電話したんですよ。その方もパニック障がいとか、過去に精神的DVを受けたこともあった方だったから、話してみようと思って手とか震えながら電話して、「あの……じ、じつは、あの……精神的DVに遭ってて……け、稽古に行ったら、ホントにじ、自殺せざるをえないぐらい追い詰め……られ、てて……」みたいな感じで話したら、それだけですべて理解してくれて。そのおかげでスムーズにやめられたんです。向こうも納得してくれて。だから、「ホリエモンありがとう！」って感じで。

吉田　意外な影響が！

東　そこからやっと、本当の傷心タイムって感じで沖縄に飛んで、宮古島でボーッとして。パワーストーンを買ったり。

――インタビューの続きは「吉田豪の部屋の本vol.1」にて！

【プロフィール】

ひがし・りさ　1998年3月1日生まれ、神奈川県出身。高校在学中に西井万理那と「生ハムと焼うどん」を結成。生ハムと焼うどんでは作詞作曲や、寸劇の台本作や演出も担当した。現在はソロやバンド「ちょ！'s（ちょっとまとーず）」などでも活動している。

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