9月27日(木)発売 『吉田豪と15人の女たち』より前島亜美さんのインタビューを一部無料公開!
アイドルに費やしてしまった時間で培えなかった「ふつうの感覚」
押忍の精神でアイドルと女優
──4年ぐらい前、ツイッターで前島さんと微妙な接点があったのは覚えてます?
前島 覚えてます! 『センチメンタル・ジャーニー』を出したときですね。曲のことつぶやいてくれて、ありがとうございました。
──あれは非常に素晴らしい曲で大好きで。ヴォーカリストとして最高だと思っていて。
前島 えぇーっ? ありがとうございます!
──ボクのなかでは、かなり理想的なアイドルっていう認識なんですよ。声もキャラも。
前島 恐縮です。
──それプラス空手経験者、しかも極真だから自動的にボクの評価が高くなるっていう。
前島 武道が好きでいろいろやってます。
──親御さんに言われて始めたんですか?
前島 空手は自分からやりたいって言って。周りの子はピアノとかダンスとかバレエとかやってたんですけど、みんなと同じことやってもなと思って。小さい頃から戦隊ものとかすごい好きで、空手をやりたいと思って。
──戦隊ものが好きまではわかるんですけど、それが空手、しかも極真になるのが珍しいですよね。アイドルで空手やってる人は意外といますけど、だいたい親御さんに言われてだったり、寸止めの伝統派だったりで。
前島 なかなか極真の方とは出会わないですね。そこから派生していまは舞台とかもやらせていただいてるので、刀道をいまやってまして、真剣で藁を切ったりとかしています。
──極真やってみてどうでした? そんなに極真の幻想もない世代じゃないですか。
前島 そうですね、自分が入ったところが極真だったっていうのが入口だったので。でもフルコンタクトで毎日稽古するのはすごい楽しかったですし、この世界にご縁がなかったら空手の師範になりたいと思ってたぐらい。
──そのレベルだったんですか!
前島 はい、空手はけっこう熱中してやってたので。それこそ地区の3道場を掛け持ちして行くみたいなことをやってました。
──茶帯でしたよね。大山倍達総裁の本を読まなきゃとか学習したりはしたんですか?
前島 まだちっちゃかったのでそこまではいかなかったんですけど、でも合宿とか全国大会とかでお話を聞くたびにすごいなって思って。道場にもお写真があるので、いつか勉強したいなっていうふうには思ってました。
──その時点で完全に信用できる人ですよ!
前島 フフフ、うれしいです(笑)。
──基本、ものすごいまじめな人だと思うんですよ。アイドル観にしてもそうだろうし、それは空手で身についたものなんですかね?
前島 もともとの性格と空手で身についた真摯な姿勢ももちろんあると思うんですけど。
──押忍の精神が。
前島 礼儀とかもそうなんですけど。一番大きかったのはハロプロを見てたってことで。
──あ、そっちなんですね(笑)。
前島 アイドルとしてっていうのはそこのイズムをすごい強く受けていたので、いいことも悪いこともあったかなって感じですね。
──いいことも悪いこともあった?
前島 そのせいで、まじめすぎちゃったなっていう。自分が描くアイドル像が、自分がグループをやってたときは時代と合ってなかったのかなって思ったときはありましたね。
──ああ、そうか。スパガはもっと自由なグループというイメージがありましたからね。
前島 そうですよね。なかなかスカート履かせてもらえない、みたいな。自分が描いてたアイドルとはまた違った路線のジャケットとかのグループだったので、方向性とかメンバーの個性もオリジナリティがありましたね。
──ハロプロによって、アイドルはまじめにやらなきゃいけないものだと思っていた?
前島 そうです。ハロプロさん以外のアイドルを知らなかったので、アイドルとはこういうものだっていうハロプロ魂というか、ハロプロイズムがけっこう強くて。なかでも私、嗣永(桃子)さんがすごい好きだったので。
──あの人は本物のプロでしたからね。
前島 はい。よりプロ意識というか、嗣永さんを見てやっぱりアイドルはこうでありたいし、あるべきだっていう。だから、ちょっとまじめすぎたかのかなって思いますね。
──ももちはボクもホントに大好きで、あんなにアイドルとして信用できる人もいないし、プロとしか言えない人じゃないですか。
前島 はい、一番だと思ってます。
──『めちゃイケ!』の『AKB以外だらけの大運動会』でのももちの体の張りっぷりに感動してすぐ取材オファーして、あれがどこまでガチなのかを確認しに行ったんですよ。
前島 私、あの現場にいたんですよ!
──そうでしたよね。あれを間近に見て、ももち好きとして感動したんじゃないですか?
前島 感動しました。私はももちとしての嗣永桃子さんよりも、アイドル・嗣永桃子のスタートに一番強く憧れて好きだったんですよ。そこから嗣永さんが自らの道を開拓してももちとしてバラエティでも、なかなかハロプロさんって入れなかった領域にどんどん行って誰よりも結果を残している姿にまた違ったプロ意識を感じられて、ホントに素晴らしい方だなっていうふうに思いました。
──特にあのときって自覚的に腹を括って一歩踏み出す瞬間だったわけじゃないですか。
前島 そうですね、嗣永さんが加藤浩次さんに蹴られて……。あれは衝撃的でしたね。
──あれ、どれくらいの覚悟でいったのか話を聞いたんですよ。そもそもあの時代ってハローはAKBの話をしちゃいけなかったんですよね。「4と8」みたいに指で表現したり、名前も出せない時代に「会いたかった」をまず覚えて、ももちが会いたかったって替え歌をいきなり歌って、加藤さんに突っ込まれにいったっていう。あれは事務所に怒られる覚悟で最初からやろうと決めていたってことだったから、そこにも感動したんですよ。
前島 えーっ! いま鳥肌立ちました……。
──インタビューの続きは9月27日発売の本書籍にて!
【プロフィール】
まえしま・あみ=1997年11月22日生まれ、埼玉県出身。2010年にSUPER☆GiRLSに加入。アイドル活動と並行してモデル、女優、声優などマルチに活躍。2017年3月にグループの卒業を発表し、ソロ活動へ移行。20歳にもなり舞台、アニメ声優など活動に力を入れている。
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